保健所や動物愛護センターの保護猫を引き取る方法【殺処分を水際で防ぐ】
保健所や動物愛護センターに収容された猫のうち2割は里親へ譲渡されるか、元の飼い主へ返還されています。
しかし、8割の猫は悲しいことに殺処分されてしまっているのです。
こうした猫の殺処分を減らすために、保健所や動物愛護センターから引き取って里親になるという方法があります。
今回は保健所や動物愛護センターから保護猫を引き取る方法についてお話ししたいと思います。
保健所・動物愛護センターとは
「保健所」というと、冷たい鉄の檻のなかで猫や犬が殺処分を待っている…そんなイメージがあるかもしれませんね。近年では「動物愛護センター」という施設も登場しています。
それぞれどのような役割があって、どんな違いがあるのか詳しく解説します。
保健所の役割
厚生労働省の管轄下にあり、市区町村単位で存在しています。保健・衛生・生活環境等などの対人的なサービスを提供する行政機関です。
飼い主のいない猫や犬の収容は全体の業務のうちのごく一部になります。収容された動物は一定期間だけ保護され、元の飼い主が見つからない場合は「動物愛護センター」に移されます。
動物愛護センターの役割
同じく厚生労働省の管轄になりますが、都道府県単位で存在しています。都道府県によっては、動物愛護センターの設置がない場合もあります。動物愛護センターのほかに、管理センター、保護センター、動物福祉センターなどさまざまな呼び名があります。
動物愛護センターでは、飼い主のいない猫や犬の収容と管理、譲渡を行っていますが、期限までに里親が見つからなければ残念ながら殺処分となります。また、命の尊さを伝える施設でもあり、責任ある飼育の指導と啓発も行っています。
保健所と動物愛護センターの違い
近年では迷子になった、外で生まれた、捨てられた、やむを得ない理由で飼えなくなった猫や犬の収容や管理業務を保健所から切り離し、動物愛護センターに移管している都道府県が多いです。
また、里親探しの拠点として、殺処分ゼロをめざした取り組みを行っています。北海道旭川市の「あにまある」、愛知県岡崎市の「Animo」など、より親しみやすい名称をつけている施設もあります。
保健所や動物愛護センターに収容された猫について
保健所や動物愛護センターに収容されると、健康チェックをして里親募集を行います。自治体によって異なりますが、約1週間の保護期間中に里親が見つからなければ殺処分となってしまいます。
保護団体に引き取られる猫もいる
殺処分を防ぐために、保護期間が終了する猫を民間の保護団体や個人のボランティアが引き取って里親探しを行っています。
例えば、東京キャットガーディアンでは、東京動物愛護相談センター本所・多摩支所、埼玉県動物指導センター南支所、川崎市動物愛護センター、横浜市動物愛護センター、さいたま市動物愛護ふれあいセンターと連携して、猫の引き取りと里親探しに取り組んでいます。
猫を引き取るには
殺処分を防ぐために猫を引き取りたいと想ったら、定められた条件を満たさなければなりません。保健所や動物愛護センターから猫を引き取る方法について詳しく解説します。
保健所から猫を引き取る方法
譲渡の対象になるのは、その自治体に住んでいる人になります。譲渡対象の猫ちゃんがいるかどうかは環境省の「収容動物検索情報サイト」で調べることができます。
収容動物検索情報サイト:https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/shuyo/
まずは、自分が住んでいる自治体を見てみましょう。それぞれ保健所や動物愛護センターのサイトへリンクされています。保護されている迷子の猫や犬の情報のほか、譲渡会の日程や譲渡手続きの方法、譲渡条件を調べることができます。
動物愛護センターから猫を引き取る方法
動物愛護センターから猫を引き取る際も、上記の保健所の場合と同じになります。譲渡の申し込みの窓口が動物愛護センターになるか、保健所になるかは自治体によって異なります。
譲渡会などのイベントに参加する際は、事前に予約が必要になる場合もあるので確認するようにしましょう。
また、東京都の場合は犬猫の殺処分ゼロの早期実現をめざして「ワンニャンとうきょう」という里親探し専用のサイトを作成しています。東京都の動物愛護相談センターに収容されている猫のほか、ボランティア団体に保護されている猫ちゃんまで、網羅的に調べることができます。
猫の里親になるまでの流れ
自治体によって異なりますが、東京都の例をご紹介します。
「ワンニャンとうきょう」で募集情報を確認する
↓
譲渡事前講習会に参加
↓
猫ちゃんとお見合い・譲渡講習会に参加
↓
正式手続き後にトライアル開始
猫を引き取るときの条件とは
保健所や動物愛護センターから猫を引き取るときの条件は、保護団体から猫を引き取るときと同じく「ペットを飼える住宅に住んでいる」「終生飼養」「不妊去勢手術を受けさせる」「完全室内飼育」などになります。また、譲渡手数料などの費用が発生することもあります。
まとめ
保健所や動物愛護センターというと「殺処分される場所」という悲しいイメージを持たれがちです。
でも、これからは飼い主のいない猫ちゃんやわんちゃんが里親に出会える場所だということをたくさんの人に知ってもらいたいのです。
猫ちゃんを家族に迎えたいと考えたときに、保健所や動物愛護センター、保護団体から引き取ることも選択肢のひとつに加えてほしいなと思っています。
というわけで、今回は「保健所や動物愛護センターの保護猫を引き取る方法【殺処分を防ぐ】」について解説してみました。
参考になれば幸いです。
では、また。
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